教科書

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鉄釉の飯碗。
その表情の中に、化粧土のひびがある。

機能的な価値は、全くなくて、表情の奥行きを出すために、ひびはある。
当初、ひびを出すための方法と言えば、素焼き(釉薬をかける前に、800度程度で焼くこと)のあとに化粧土をかけるのが、一般的だった。教科書的には、それが正しい。

ただ、現れたひびが、少々おとなしい。几帳面で、それはそれでいいのだが、もっとラフにならないか?
ある時、教科書的には、やってはいけない事をやってみた。
焼成前の、完全に乾燥した生地に、化粧土をかける。時間とともに、生地が割け始め、原型をとどめない。
化粧土の水分を急に吸った生地が、その膨張についていけないのである。

さて、ここまでは教科書どおり。
じゃあ、どうする?
一休さんのひらめきって、こういう事なんだ!
水につけてみよう!ざぶ〜んって。イメージとして、まえもって生地を膨張させればいいんじゃないか?
ざぶ〜ん。どうだ?
水がひいて、生地の中、深くにしみ込むまで待って、今度は化粧土にざぶ〜ん。どうだ?

これが、始まりです。
結果、化粧土が乾きながら、求めるランダムなひびが現れました。
教科書では、教えてくれない事。だめもとでやってみると、案外、扉は開く。










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by 17444432 | 2014-12-01 22:38 | 作陶 | Trackback | Comments(1)
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Commented by sakura-kama at 2014-12-05 19:35
たまらなく渋いですね。このような表現できるようになりたいです。
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